レワニワ
雑誌「新潮」で藤谷氏が『ポケットの中のレワニワ』を書評していて、それがとても興味をそそられるものだったので。
タイトルはファンタジックだが、書評冒頭でこれは「仕事についての小説だ」と書かれていたので、そのつもりで読む、読む。ベトナム人の子どもがけっこういる小学校で主人公は過ごした。そこで同級生だった女の子と、いまの職場で再会する。ハケンで働く主人公の上司として彼女と会ったのだが、彼女も正社員とはいえ、職場の子会社に属している。職は苦情受付。
なかなかに重たい人間関係の中でレワニワの存在感はおもしろく、くいくい引っ張られて2冊を一気読みした。仕事に対する距離のとりかた、人間関係、小学校時代の思い出からめた恋心。ベトナム難民、日本の難民。コヒビトも強烈に登場する。
レワニワに何かを願いたい気もするが、そこまでの情熱は自分にないだろうなと思った。
bakuさん
確かにひっぱられて読ませますよね。ティアンの声から魅力が薄れていく描写もリアルでしたし、仕事も情景がうかんで、一緒にストレスを味わいそうでした。
レワニワの存在感が残るのは確かに。この時期、窓の近くで見かけるカエルのひからびたのを発見すると、思わずじぃっと見てしまっています。物語のあつみを感じました。
投稿: さかな | 2009.09.13 21:05
あとから追いかけるように「上巻」読み出した相方にせかされて「下巻」をさきほど読了。
うう。たしかに。『なかなか短く感想を言うのがむつかしい本』でした(苦笑)
でもさかなさんも書いてはったように「レワニワ」にひっぱられるようにして、読みました。それに団地や登場人物もなんだか読みながら同時に映像化してるかんじで。これは著者ご自身が「ブックレビュー」でもおっしゃってたように、どんどん場面がうかび引っ張られるようにして書かれた、からでしょうか。「レワニワ」ということばが先に浮かんだそうですが、ほんまにふしぎなことば。ことばがどんどん「形」になって「物語」になってゆくのがおもしろくこわかった。
しかし、この「レワニワ」残りますねえ。読んですぐにここ「1day 1 book」に来て、カニのハサミの写真にさえどきっとしてしまいましたもん(笑)
投稿: baku | 2009.09.13 20:44
bakuさん、行ってらっしゃーい!
レワニワ、なかなか短く感想を言うのがむつかしい本ですが、読んでよかったです。bakuさんの感想、聞いてみたいです。
投稿: さかな | 2009.09.12 07:48
いまからジッカに法事で帰るのですが、バッグの中に「レワニワ」入れたとこ。わたしはこの間のBSブックレビューで著者ご本人が本作を語ってはったのを聞いて。では電車中の読書をたのしみにいってまいります。
投稿: baku | 2009.09.12 07:41