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2009年10月

2009.10.31

あかちゃんにあえる日

あかちゃんにあえる日 (わくわく世界の絵本)

 『あかちゃんにあえる日』

 キンバリー・ウィルス・ホルト作 ギャビ・スヴャトコフスカ絵 河野万里子訳 小峰書店

 2006年に原書が刊行された時、あのYAの名作『ザッカリー・ビーヴァーが町に来た日』(白水社)を描いたキンバリー・ウィルス・ホルトの絵本だ!と飛びついた一冊でした。届いた原書は期待以上にすばらしく、ギャビ・スヴャトコフスカのこってりしたカラフルな絵もすてきでした。読んだ当時、ちびちゃんはまだ保育園児。こんな会話を交わしていた時でした。

 園の帰りにおなかの大きい(来週が予定日!)ニンプさんに「あかちゃんは もう うまれた?」とおなかをなでながらとつぜん聞くちびちゃん。「まだよ、だからこんなに大きいの」「そう、おなかキックするの?」「すごくするわよ」「そうか、赤ちゃんに会いたいなぁ」

 絵本の表紙で人待ち顔にしている少女はアイリス。おばさんに男のあかちゃんが生まれると知り、いつ生まれるのだろうと心待ちにし、パパやママ、おじいちゃんにおばあちゃんたちに、「グレゴリーはいつうまれるの?」と聞き回ります。それぞれの大人たちの受け答えがまたいいんです。そうやって待ってまって誕生したグレゴリー。あれをしよう、これをしようと持っていたアイリスが、うまれたグレゴリーを抱いて思うことはなんでしょう。

 ホルトのまなざしのあたたかさは、どの物語にも共通しています。このやさしさの物語につけられた絵も幸せに充ち満ちています。ほんのちょっぴりこの絵本の誕生に関わったひとりとして、ほんとうにうれしい刊行です。

 

2009.10.30

だめだめ大人たち

もう、ジョーイったら! 2 父さんと、キャッチボール?

『父さんとキャッチボール?』は、ジャック・ギャントス著作、ジョーイが主人公のシリーズ2作目。
 ジョーイは自分でも自分の行動が手に負えなくなるときがままあり、いまは気分を安定させる貼り薬をつけながら、日常生活をおくっている。
 自分のことでもいろいろあるが、ジョーイの周りの大人たちもひとくせ、ふたくせもある人物ばかり。子どもの保護者である母親、父親、そして祖母らもまた、固有の生きがたさを引き受け、つきあいつつ、ジョーイと接しているのだ。
 今回は離れて暮らしている父親のもとで夏休みをしばらく過ごすことになるジョーイが描かれている。父親はジョーイは現在ジョーイの祖母と暮らしているが、気分のむらが激しく、少々お酒に依存しすぎている様子がうかがえる。さて、ジョーイの生活はどうなるだろう。

 ジョーイを助けようとする父親、その親自身が赤裸々に描かれていて、大変のリアルさがびしばしと伝わってきた。読みながら、ああ、こんなことしたらどうなるか!と頭を抱えながら読んでしまうほど、ダメな大人の父親。一緒に暮らしている祖母も、いやはやと思ってしまう行動をジョーイにとる。決してみんなジョーイを嫌いじゃない、愛している、けれど、その行動はダメダメなのだ。でも、納得できる。子どもの成長をあったかく見守る大人ばかりじゃないリアルさは、現実社会をみたって明かなのだから。ダメな親だからジョーイも嫌うかというとそうではないし、読み手の私も彼らを嫌うことにはならない。ああ、と頭を抱えてしまうリアルな人物たちに逆に近しさすら感じてしまう。ジョーイシリーズ、ぜひ続刊も邦訳されてほしい。

2009.10.29

朝霧

10291

 雨で寒く冷たい日があったと思うと、心地よい秋晴れにもなり、気温の変化が激しいこのごろです。今朝の田んぼはまっしろ。ちびちゃんが「霧をみてると真っ白で前が見えないけど、(霧の)中に入ると前が見えてくるよ」と言って登校していきました。
 学級閉鎖は小学校、中学校も増えていて、中学校の学習発表会、合唱コンクールも延期になり見に行くことは難しそうです。

 昨日、一昨日は二日続けての葬儀に出席。二日とも心のこもった弔辞を何人もの方からお聞きし、惜しまれてのご逝去をしみじみ感じました。

2009.10.23

気になる新刊

                                                                                                                       

2009.10.21

ひたひたと

 市内の小学校が新型インフルエンザで学校閉鎖になっています。子どもたちの通っている小学校は数週間前に一人かかったのですが、その一人のあとはずっとゼロ。けれどとうとうまた一人かかったようです。

 中学校の学習発表会も週末予定が延期になりました。夜の常任委員会で学校に行ったら、先生方がみなマスクをしていたので、これはと思っていたらやはり。延期なので委員会では予定通り食券の袋詰めをしたのですが、平日の夜2時間作業はなかなかにきびしい。人海戦術でやるしかない作業ではありますが、こういう負担感が次の役員探しを難航させてしまうのですよね。うーん。本部役員になるともっと時間負担が大きくなるのですから、引き受けてくださっている方には感謝、感謝です。

2009.10.20

漢字

 ちびちゃん、漢字を覚えているのですが、まだまだのところがあり……。

 (もんだい)
 ○は同じ漢字が入ります。

 (1)○
 (2)○肉 

 (1) → これは「牛」と書けました。
 (2)ですが、ちびちゃんが書いたのは

 (2) (にん)肉

 字面は違うけれど、ニンニクは確かに彼女の好物です。けれど、問題の意味がわかっていないのだろうと説明すると理解しました。

 子どもたち、どの子も漢字では笑わせてくれるのですが、今回も大笑い。

2009.10.19

楽しみは

 10年以上テレビが見られない生活をしてきて、テレビ番組欄を気にしなくなっていたのですが、iPhoneのアプリでも便利なものがあり、新聞でもチェックするようになり、なにより、twitter でおもしろい番組を教えてもらうことが増えました。

 昨夜はETV特集で須賀敦子さんの番組を録画して今日見ました。動いている須賀さんを見たのは初めてです。江國香織さんが「本質を描いているので古びない」と話しされていました。最初に須賀さんを見出した編集者の方が「ほんとうにびっくりしました、彼女は詩人なんですね」と。最近、須賀さんがよくとりあげられていますね。「考える人」や「芸術新潮」、この「芸術新調」での特集は再編集されとんぼの本の一冊にもなっています。随所に著作の朗読があるのですが、ちょっと残念な読み方に感じました。ちょうど、毎週月曜日の「知る楽」で、池澤夏樹さんの「世界文学ワンダーランド」を放映していますが、ここでの朗読がいずれもすばらしく、つい比較してしまいます。今晩の『サルガッソーの広い海』の朗読もすばらしかった。この番組も来週の楽しみ。

 家族で楽しんでいるのは、「新・三銃士」です。三谷幸喜さん脚本、人形も背景もストーリーも見ごたえのあるものになっています。

2009.10.18

秋のすすき

1018

2009.10.17

気になる新刊

                                                                                          

2009.10.16

マルベリーボーイズ

Napoli
マルベリーボーイズ』 ドナ・ジョー・ナポリ

相山夏奏訳
偕成社
ISBN 978-4-03-756770-4
定価 1680円(税込)

まったくの前知識なしに読み始めた本でした。ドナ・ジョー・ナポリといえば、「シンデレラ」や「ヘンゼルとグレーテル」といった作品をオリジナルな視点で再話する、そのストーリーテラーはすばらしくいつも感嘆していました。ですから、今回の作品もその流れにあるものではないだろうかと勝手に思っていました。

そして、それはうれしく裏切られました。

おもしろい本のにおいがしました。このカンはたいていハズレがありません。今回もそうです。

本書は著者ドナ・ジョー・ナポリの祖父をモデルにしています。とはいえ、祖父や両親から直接聞いた話はわずかであり、ふくらませたエピソードは歴史に関する本や、雑誌、新聞、写真を自らの足で得てきたものからきているそうです。

その祖父(父方)はわずか5歳の時にイタリアからアメリカに密航したそうです。生まれた時から父親がいなく、アメリカに渡ってから若いときにビジネスマンとして成功したと、ドナ・ジョー・ナポリは聞いたそうです。

物語では9歳のドムがアメリカに渡る船に密航するところからはじまります。母親と一緒に船に乗ったと思いきや、実はたった一人だったことをなかなか受け入れることができません。それでも彼はアメリカの地に足を踏み入れます。母さんからの贈り物の新品の靴を履いて……。

ドムがどんな風にアメリカで生きながらえていくかは強い吸引力があり、途中でページを閉じる気持ちをまったくおこさせません。だれと出会い、どんなことを体験していくか。なんと、タフな子ども時代だったのか。

守ってくれる大人のいない子どもが、商売の才能にめざめてお金をため、生き抜いていく。人のもっているそのおおきな力に心を強くうごかされました。これはドナ・ジョー・ナポリの創作ではありますが、実際にこういう子どもたちが存在した、その確かな存在感が物語の随所に感じられ圧倒されます。

最後にだいすきな文章を引用します。ドムはこんな風に、近くにはいない、けれどずっと近くにいた大人たちの愛情で育っていったのです。

 ぼくはオレンジを積んだ。家でおばあちゃんの毛糸玉を積みあげていた要領で、注意ぶかく、ひとつも落ちてころがったりしないように。ぼくを見つめて、つぶやくおばあちゃんの姿が心にうかぶ。おばあちゃんはよくいってた。「なにごとも見た目が肝心だよ。どんなものでも、きれいにならべる価値はある。たとえすぐに食べられてしまう料理でさえね」って。ぼくはおばあちゃんのためにオレンジを積んだ。

2009.10.15

カナダ総督文学賞も最終候補作発表

カナダ総督文学賞の最終候補作も発表になりました。[Link]
こちらは英語作品での児童書部門(物語/絵)の最終候補作です。受賞作発表は11月17日。

●物語

Sister Wife
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Shelley Hrdlitschka
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Home Free (The Gutsy Girl Series)
Sharon Jennings
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Greener Grass
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Caroline Pignat
Red Deer Pr

A Thousand Shades of Blue (Young Adult Novels)
Robin Stevenson
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The Uninvited
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Tim Wynne-Jones
Candlewick

●絵

Bradley McGogg, the Very Fine Frog
Tim Beiser
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The Imaginary Garden
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Andrew Larsen
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Bella's Tree
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Janet Russell
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My Great Big Mamma
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Olivier Ka
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Alego (Groundwood Books)
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Ningeokuluk Teevee
Groundwood Books

全米図書賞最終候補作発表

全米図書賞の最終候補作が発表されました。[Link]
児童書部門の候補作は5作品。受賞作発表は11月19日です。

Charles and Emma: The Darwins' Leap of Faith
Deborah Heiligman
Henry Holt Books for Young Readers
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Claudette Colvin: Twice Toward Justice
Phillip Hoose
Farrar Straus & Giroux (J)
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Stitches: A Memoir...
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David Small
W W Norton & Co Inc
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Lips Touch: Three Times
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Laini Taylor
Arthur a Levine

Jumped
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Rita Williams-garcia
Amistad
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2009.10.14

想いやり生乳

 想いやり生乳をご存知ですか。
 日本で唯一生のままで飲める無殺菌の生乳です。お話はいろいろ聞いていたのですが、実際に飲んだのは初めて。

 子どもたちと、「これ、生乳っていって絞ったままのものなんだよ」といいながら一口のむ。ごくん、おそらく最初の印象は水のようにさらっとしている、ふだん飲んでいる牛乳(生活クラブのパスチャライズド牛乳。ちなみにこれは75℃15秒殺菌。この数値はスーパーでおいてあるほとんどの牛乳よりはずっと少ない数値です)とは、まったく違う。ごくごくと飲んでいくと、全然胃にきません。パスチャライズドでも、ちょっと胃がごろごろする時があるのですが、これはない。さらりとしているのにコクがある。瓶の上に浮いている生クリームは、子どもたちとあらそってなめました。おいしい! 日々の努力があってこその無殺菌なのですが、これがもともとの味なのかと感動がありました。

 お近くに取扱店がある方はぜひ試してみては。サイトはこちら→[Link]

 ちなみに、この「想いやり生乳」、「オリーブオイルのオルチョ」、「かつお節のタイコウ」、「繭から国産の織元、塩野屋」さんらがつくっている「絶滅危惧衆」[Link]というのがあります。興味がありましたらサイトをみてみてください。

 

2009.10.13

お弁当

 小学生2人は文化祭の振替休日。出勤、登校はつれあいと上の子です。妹も朝に出るので、お弁当を3つこしらえました。

 おかずは、生活クラブレシピから、エビのパン粉焼き。豆腐だんご、たたききゅうりのナムル、ブロッコリーとゆで卵のサラダ、デザートにみかん。おにぎり。

 定刻に出発した高速バスで妹は次なる目的地に向かいました。また来てねとずっと手をふっていた子どもたちです。また来年も来てね。指もお大事に。

 この日のお昼は、たくさんつくったおかずをさらいます。夕ご飯は、スパイスたっぷりのチキンカレー。夕方から今度は中学校の文化祭の実行委員会で出かけるので早めに仕込みました。小学校が終わると次は中学校、秋は行事が続きます。

 

2009.10.12

お出かけ

 妹が来てから3日め、ようやく家族みんなで出かけることができました。
 わが家の車一台では全員乗れないので、はじめてレンタカーを使用。遠出ではなく、車で1時間くらいのところでの温泉、ランチがメインです。天気にも恵まれ、ドライブ日和でした。途中で行ったことのなかった、お寺まわりを散策し、日帰りプランのホテルに到着。ゴンドラで景色を楽しんでからお弁当でお昼、食休みをしてから温泉にちゃっぷん。お湯がぬるめだったので長くのんびり入れました。

 最後の夕食は帰宅が遅くなりつくる時間がなかったので、地元のラーメンやさんで食べました。3泊もあっという間です。明日の朝は早起きしてお弁当づくり!

 と、ここでおやすみなさいをする予定だったのが、妹が左手の指先がはれて痛い、眠れないかもと言いだし、夜間の救急外来へ。幸い、心配するほどのものではなく、痛み止め、抗生剤などをもらい、今度こそ安心しておやすみなさいでした。

1012


2009.10.11

お祭り

 この日、上の子は柔道の試合。お弁当をつくって送り出したあと、小学生も集団登校。その後、私と妹で小学校に向かいます。1011
 学年ごとの発表会では、ちびちゃんが御神輿をかつぎ、まんなかの子はマット運動をすることになっています。柔道の柔軟体操で、前転、側転などが得意な子なので、よく見てね!とはりきっていました。ふたりとも、とてもよくできて、拍手、拍手。妹も一年ぶりにみる甥、姪に大きくなったねえと見ていました。つれあいは、まず柔道会場に行ったあと小学校に来て2人の様子をビデオにとり、すぐにまた柔道にもどりました。

 発表後、私はPTA役員仕事でバザー担当。妹に子どもふたりのピックアップと昼食のひきとりをお願い。担当仕事が終わってから合流して一緒に昼食(豚汁、カレー、焼きそば、フランクフルト、チョコバナナ、玉こんにゃく)をとり帰宅。

 少し休憩してから買い出しに出かけ、夕食はおでん。おいしいお出汁に具、はふはふと家族で舌鼓を打ちました。毎日ごちそうさまです、感謝!>つれあい

2009.10.10

 この連休はちょっといそがしい。
 まず、北海道の妹が3泊4日でやってきます。会社の研修前に寄ってくれるのです。去年のことを思い出してちびちゃんは、早くこないかなあとずっと待っていた日です。
 午前中に食料買い出し。その後私は妹を駅まで迎えに行き、お昼を一緒にとり、すぐに小学校へ。次の日は文化祭なのです。ちなみに、お昼ごはんは、つれあいがつくってくれたラーメンと炒飯。いつもごちそうさま!

 準備も順調にすすみ、3時前には帰宅。ようやく、妹と少しゆっくり話しができました。実家の様子や、もうひとりの妹の様子(先月、ハワイの妹宅に遊びに行っているので)を聞いたりしてまったりと過ごします。夕ご飯は、天ぷらと茶碗蒸しをつれあいがつくってくれました。妹が来るのにあわせて、数日前からメニューを考えてくれました。天ぷらもさくさくあがっておいしかった!!

 

2009.10.09

気になる新刊

                                                                                          

2009.10.08

おやすみ

 強風の音で目覚めました。台風です。
 案の定、6時15分頃に学校より休校の連絡が入り、子ども3人分、電話を受けたり、かけたりして、朝がスタートしました。子どもたちは、おやすみでのんびりできると大喜び。上の子も次の日がテストなので、勉強するぞとはりきっています。

 お昼頃にはすっぽりと台風の目に入りました。
 風もぴたりとやみ、ただ暗い外です。
 まんなかの子が「理科の時間にならった通りの無風状態だ」と窓の外をながめていました。学校の授業と目の前の自然が一致したようで強く印象に残ったようです。

 その静かなお昼は、冷凍のピザ生地に野菜をのっけてあつあつのピザ。外に出ない一日は子どもたちに絵本を何冊も読んだり、ゆっくりゆっくり過ごしました。

2009.10.07

ごはん

1007 台風の被害が大きいものではありませんように。今日は何度も進路を確認するために天気のニュースを読んでいました。

 新米の季節ですが、いつも食べているアキタコマチの新米はもうちょっと待つことになりそうなので、おととい新のつかないお米を買いたしてきました。お米やさんでおしゃべりしてきたのですが、低温で保存状態がよければ1年たったお米も古米といわず、熟成米とよんでいて、食味値も新米の時とあまり変化がないそうです。「人も年をとってくるといい味がでるでしょう、お米もそうですよ」と仰ってました。若いお米はまだまだ味も安定しきっていない感じがするそうです。確かに、今回買ったお米も十二分においしいです。でも、「新」がつくものは、なんだかワクワクするので楽しみではありますが。

 地元のカリフラワーがスーパーで出ていたので、今日はやわらかめにゆでてパスタの具にしました。肌寒い一日だったのでクリーム系にしようと決めていたので、玉葱のスライスをオルチョと塩でじっくり炒め、小麦粉と牛乳でホワイトソースをつくります。これはとっても簡単でそしておいしい。コンソメなどまったくいれずにおいしいソースができます。他に豚バラ肉を薄く切ってカリっと焼いて、炒めたパプリカ、ゆでたカリフラワーで、できあがり。おいしかったです。

2009.10.06

詩は酒の肴になる

考える人 2009年 11月号 [雑誌]

「考える人」の最新号、丸谷才一さんのインタビュー記事がおもしろいです。聞き手は『須賀敦子を読む』を著された湯川豊さん。詩が中心の時代があった時代について具体的に話しをうかがいたい、そういう切り口ではじまっています。

堅苦しくはじまっているのではありません。最初に紹介されているものも、優雅なポルノ。丸谷さんが訳される言葉の芳醇なこと。直訳風に訳されたといわれているけれど、にやりと読ませます。韻律やレトリックにふれながら、最初に引用している詩は大岡信の「地名論」。すばらしいとほめている詩人は、多田智満子、入沢康夫、萩原朔太郎、中原中也。引用は萩原朔太郎の「天景」です。丸谷さんは、文房具屋さんで万年筆を書くときの試し書きに、この「天景」の「しづかにきしれ四輪馬車」を書くとか。

天景

 しづかにきしれ四輪馬車、
 ほのかに海はあかるみて、
 麦は遠きにながれたり、
 しづかにきしれ四輪馬車。
 光る魚鳥の天景を、
 また窓青き建築を、
 しづかにきしれ四輪馬車。

萩原朔太郎詩集 (新潮文庫)

「詩は酒の肴になる」は吉田健一さんのこと。

丸谷 吉田さんは、一杯飲んでるとき、丸谷さん、あなたの好きな詩はどんな詩ですか、みたいなことをいう。僕が英語の詩で覚えているのを数行、十六世紀のトマス・ナッシュの詩かなんかをいうと、ああといって、くちゅくちゅと口のなかで繰り返す。そして、ああきれいだな、とかいって喜ぶ。カラスミとかウニを食べるような感じなんですよ。詩が酒の肴になるのね。僕はなるほど詩というものはこんなふうにして楽しむものか、と思いました。

2009.10.05

森へ、森から

『はじまるよ』こどものとも0.1.2  2009-11

 11月号のこどものとも0.1.2はとてもきれいです。
 熊谷守一さんの絵に、ぱくきょんみさんが言葉を添えられています。熊谷氏の絵をこよなく愛されているぱくさんと、同じく敬愛している造形作家のおかざき乾じろ氏がレイアウトしたちいさな絵本。

 板絵独特のタッチが美しく再現されていて、子どもたちに読んだら、絵をさわりながら聞いていました。ごつごつしたタッチがさわれるように思えてくるのです。おひさまではじまり、おつきさまで閉じる構成で、ぱくさんの言葉が絵にしっくりなじんで読むのも楽しい、見るのも楽しいのです。しーんと終わる最後のページを閉じると、子どもたちも満足そうに蒲団の中で目を閉じました。

 この記事のタイトルに書いた「森へ、森から」というのは、作者(ぱくきょんみさん)のことばです。熊谷さんの住んでいた町に、結婚を機に移り住んだこと。夜の散歩で熊谷さんの家を発見したこと。「濃いみどりがあふれていました。まるで、ちいさな森がはるばるとやって来て座りこんだよう、聞きしにまさるクマガイモリカズの家の庭でした。」と書かれています。このぱくさんの文章もとてもよくて、熊谷さんの画業に対する深い愛情と共に、当時の自分自身の仕事への気概を感じました。

2009.10.04

稲刈り

1004

 むかって右側はまだですが、手前は終わっています。近所を歩くと、わらのにおいがします、赤とんぼがいっぱい飛んでいます。ちびちゃんが、とんぼの目玉に指をぐるぐるまわしてとっては離していました。

2009.10.03

ライブラリアン

 三月書房さんのブログで、雑誌「出版ニュース」9月下旬号(㈱出版ニュース社)の記事について書かれていた内容に興味をもち、取り寄せて読んでみました。

 カリフォルニア大学バークリー校東アジア研究図書館日本部長の石松久幸さんが「今、アメリカの大学でライブラリアンと呼ばれる職業が絶滅しつつある」を寄稿されています。
 今後近いうちに消えてゆくと思われる職業に、新聞、自費出版代行、復刻版、マイクロ・フィルムの作成、辞書、辞典、索引、便覧、名鑑、地図などの参考図書のプリント(紙媒体)の資料の出版、その流れでライブラリアンという職業も消えつつあると。筆者が働いている東アジア研究図書館においてあるレファレンス・ブックの利用者がほとんどいなくなり、質問する人も来なくなったと。筆者自身も2年ほど前に依頼された翻訳作業で図書館のレファレンス・ブックを使わずにできたこと、10年前の翻訳作業ではレファレンス・ブックをかなり駆使したのに、と。今後、ライブラリアンに残された仕事といえば、図書館で契約するデータベースの選択、ユニークな蔵書構築、補修くらいであろうが、文化遺産のデジタル化がすすめば存在理由がなくなるのではないか、図書館は巨大な倉庫として残り、必要とされるのはその倉庫の管理人であり、ライブラリアンではない、ということが書かれてありました。

 書かれていることはアメリカの大学の図書館ですが、日本ではどうなのでしょう。市町村立図書館の需要はまた別のところにもあるのでしょうが、専門家の必要性について考えさせられるものがありました。

 話は変わりますが、電子図書については、iPhoneを使うようになってから認識がずいぶん変わりました。紙の本はもちろんこれからも買いつづけますが、アプリで本を読むという抵抗がほとんどなくなりました。青空文庫の内容もアプリを使えば、プリントアウトしなくてもとても読みやすいです。また、stanza という無料アプリを使えば、html文書を読み込ませることもでき、たとえば英語でも単語を長押しすれば英英辞書がたちあがり確認しながら読むこともできます。Look:SEEやDropBoxを使えば、PDFファイル、ワードファイルなども読むことも可能。私は本一冊分の原稿はLook:Seeで、DropBoxではレシピのような短いものを保存して使っています。いずれも印刷しなくても読みやすいと、検索できるというのが大きな利点。デジタルの恩恵をうけています。

 ディズニーもオンライン・デジタルブックを開始したというニュースも教えていただきました。[記事Link:洋書ファンクラブ]。
 PWで知ったオンライン絵本では"Tess's Tree"が全ページ読むことができます。[Link]

2009.10.02

みみかきめいじん

みみかきめいじん (講談社の創作絵本)

 9月に刊行された『みみかきめいじん』(かがくいひろし 作/講談社)。
 みみかきめいじんである、ひょ・うーたん先生のもとには、お客さんが次々やってきます。弟子のひょうすけは、先生の指示でいそがしく働いています。名人はどんなふうに、みみかきをするのかな、どんなお客さんがきているのかな。

 実は私自身が子どもたちのみみかきをするのが大好きで、子どもたちはそれほど好んでいないのですが、どちらかというと私のために耳をかしてくれています。ですから、この絵本をみて「あ、これおかあさん好きそう!」と口をそろえていました。はい、そのとおり。
 次々にくるお客さんたちが、きもちよくてぐにゃぐにゃしている姿に笑いながら、最後のお客さまはナント! そして最後の最後はお師匠様と弟子のあったかさがでていて、うれしい気持ちになるのです。

 かがくいひろしさんの描かれる絵本はいずれもユーモアの質が保たれていて、すごいなあと思っていました。この新刊絵本も献本いただき家族で楽しみ、感想を書こうとした矢先の訃報に家族でびっくりしました。入院されてわずか5日後の急逝。まだまだ描こうとされていた時だったのではないでしょうか。不調につらい思いをされていたのでしょうか。来年もスケジュールがつまっていたとお聞きしています。ご家族の方の悲しみもいかばかりでしょう。

 心からご冥福を祈ります。そしてこれからも大事に描かれた絵本を読んでいこうと思います。

  ※現在、講談社サイトの絵本通信ページに『みみかきめいじん』の作者メッセージ、担当者からのうちあけ話などが掲載されています。

2009.10.01

絵本

 NHKアーカイブスで再放送された「あの人に会いたい」、9月29日は石井桃子さんの再放送でした。10分ほどのインタビューで、当時の石井さんは90歳。
 録画したものを、中体連後で部活がなく早く帰ってきた上の子と一緒に見ました。積極的に一緒に見ようとしたのではなく、おやつの時間というタイミングもあり、だったのですけれど、自分が小さい頃よく読んでもらった本を訳した人という認識はあったようで、けっこう真剣に聞いていました。
 石井さんが子どもは物語に同化して聞き入るというような内容のお話をされたとき、「あ、これわかる。オレもそうだった」と声に出して共感し、私もしみじみ思い出しました。3人の子どもたちに絵本を読んできて、やはり上の子にはいちばん読んできたことを。そして彼がいちばん、物語の中に深く深く入っていき、読み終わったあといくども「こっちにもどってきていいよ」と声をかけたことを。「児童文学の世界はあったかいんですよ」という石井桃子さんの言葉がことさら心に響きいろいろ考えることのあった10分間でした。

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