ライブラリアン
三月書房さんのブログで、雑誌「出版ニュース」9月下旬号(㈱出版ニュース社)の記事について書かれていた内容に興味をもち、取り寄せて読んでみました。
カリフォルニア大学バークリー校東アジア研究図書館日本部長の石松久幸さんが「今、アメリカの大学でライブラリアンと呼ばれる職業が絶滅しつつある」を寄稿されています。
今後近いうちに消えてゆくと思われる職業に、新聞、自費出版代行、復刻版、マイクロ・フィルムの作成、辞書、辞典、索引、便覧、名鑑、地図などの参考図書のプリント(紙媒体)の資料の出版、その流れでライブラリアンという職業も消えつつあると。筆者が働いている東アジア研究図書館においてあるレファレンス・ブックの利用者がほとんどいなくなり、質問する人も来なくなったと。筆者自身も2年ほど前に依頼された翻訳作業で図書館のレファレンス・ブックを使わずにできたこと、10年前の翻訳作業ではレファレンス・ブックをかなり駆使したのに、と。今後、ライブラリアンに残された仕事といえば、図書館で契約するデータベースの選択、ユニークな蔵書構築、補修くらいであろうが、文化遺産のデジタル化がすすめば存在理由がなくなるのではないか、図書館は巨大な倉庫として残り、必要とされるのはその倉庫の管理人であり、ライブラリアンではない、ということが書かれてありました。
書かれていることはアメリカの大学の図書館ですが、日本ではどうなのでしょう。市町村立図書館の需要はまた別のところにもあるのでしょうが、専門家の必要性について考えさせられるものがありました。
話は変わりますが、電子図書については、iPhoneを使うようになってから認識がずいぶん変わりました。紙の本はもちろんこれからも買いつづけますが、アプリで本を読むという抵抗がほとんどなくなりました。青空文庫の内容もアプリを使えば、プリントアウトしなくてもとても読みやすいです。また、stanza という無料アプリを使えば、html文書を読み込ませることもでき、たとえば英語でも単語を長押しすれば英英辞書がたちあがり確認しながら読むこともできます。Look:SEEやDropBoxを使えば、PDFファイル、ワードファイルなども読むことも可能。私は本一冊分の原稿はLook:Seeで、DropBoxではレシピのような短いものを保存して使っています。いずれも印刷しなくても読みやすいと、検索できるというのが大きな利点。デジタルの恩恵をうけています。
ディズニーもオンライン・デジタルブックを開始したというニュースも教えていただきました。[記事Link:洋書ファンクラブ]。
PWで知ったオンライン絵本では"Tess's Tree"が全ページ読むことができます。[Link]
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コメント
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自宅にいながらにして、多くの調べ物ができるようになりましたよね。データベースの選択も100近くもあれば更新も頻繁になるので、そういう仕事はあるだろうと書かれていたのですが、専門職として、それがメインになるのはどうなのだろうと思ってしまいます。
田舎に住んでいるので、専門図書館に足を運ぶことは私もありませんが、近くに住んでいても来館者がいなければライブラリアンが仕事をするにも活かせませんし。うーん。
投稿: さかな | 2009.10.05 13:44
ライブラリアンが滅び行く職業であるとは、、、じわっとショックです。
調べ物に関しては、そうですよねえ、確かにここ数年、わざわざ図書館へは行かなくなりました。
街角の図書館では本の水先案内人としてまだまだ存在価値は揺るがないでしょうが、大きな図書館の文献管理の専門家としての役割は、どんどん必要なくなっていくのでしょうねえ。。。。
投稿: 上野空 | 2009.10.05 10:08