おねえちゃんは、どこ?
『おねえちゃんは、どこ?』
作 スヴェン・ノルドクヴィスト 訳 石井登志子 岩波書店
大判の絵本です。
おとうとネズミは遊ぼうと思うとすぐいなくなるおねえちゃんを探します。
相談するのは、おじいちゃん。おねえちゃんの目印は黄色い毛と赤いパンツ。まずは庭から探し出します。探すには、おねえちゃんの好きなもの、行きそうなところをよくよく考えます。二匹はあっちこっち探します。おねえちゃんだったらこんな風に感じるかな、考えるかなって。どのページも見開きいっぱい、絵が詳細に描きこまれ、探しているおねえちゃんだって、実は絵の中に小さく小さくいるんです。でも、見つけるのがそれは難しいくらい、すみずみにまで絵の世界が広がっていて、目がたくさん欲しくなるくらい。
著者がこの絵本のアイディアを得たのは25年も前だそうです。はじめは文章がなく、絵だけを考えていました。けれど、他の作品を描いている間、そのアイディアはずっと眠ったままでしたが、著者の心には留まり、とうとう時満ちて描くことになりました。大きくて詳細な絵にしたかった――そのとおり、この絵本は大きくて詳しくて広くて楽しい。
ちびちゃんも、おねえちゃんはどこ?といいながら、絵の中にいる小さなおねえちゃんを見つけ出そうとします。ゆっくりじっくり味わえる一冊。こんな風にだれかに探してもらうのもいいものです。
びわさんもご覧になったのですね。
ほんとうに贈り物に最適だと私も思います。絵ひとつひとつから物語がみえるような絵本。
絵本も物語も、たくさんのホンモノの力が注がれているとそれが反映されるように思えます。
投稿: さかな | 2009.11.08 11:59
この絵本、書店で魅入りました!
クリスマスに贈られたい絵本だと、ブログに書こうとしていたところです。
そうですか、構想期間がやはりそんなに長かったのですね。納得。
投稿: びわ | 2009.11.07 20:43