おはなしのたからばこ3冊
フェリシモでつくっている四日市の児童書専門店メリーゴーランド店主:増田喜昭氏プロデュース絵本シリーズ「おはなしのたからばこ」。今晩、このうちの新刊19巻から21巻の3冊を子どもと読みました。
『おはなしのたからばこ』はグリム童話を元に富安陽子さんが文章を、メリーゴーランド主宰の絵本ワークショップ「絵本塾」出身、本作がデビューというフレッシュな画家、尾崎幸さんの銅版画を描いています。貧しい母娘ふたりぐらしの家。ある日、娘がまほうのなべをもらい受けます。呪文をとなえると「おいしいおかゆ」がでてくるおなべ。食べても食べても飽きないおかゆ。子どもたちは、そのおいしそうな描写、とろとろクリーム色のおかゆに、「食べたい!」といいながらじいっと絵本に集中していました。
『ポケットに砂と雪』は、和田誠さんが絵も文もかいています。砂漠と山、それぞれの場で縁もゆかりもない男2人が、不思議な体験をします。すっきりと整った画面で展開されるストーリーは少しミステリー。ラストに子どもたちが「へぇー」と声をあげていました。
『きりの村』は、今江祥智さんの文に宇野亜喜良さんが絵をつけています。1961年の作品。だからというわけではないのですが、大人の私にはちょっとなつかしさを感じました。幻想的な宇野さんの絵に、静かな語り口の今江さんのお話がぴったり寄り添い、迫力があります。言葉のない見開きの絵では、「ちょっと怖い」という子どもたち。最後まで読んだら、ちぃちゃん「わたし、この絵描きたい!」と言ってました。
もともと小さな版でフェリシモの会員のみに出ていた絵本が大きな版型で出ているのですが、これは絵本にとってしあわせなことですね。絵のもつ力を、このくらいの大きさで楽しみたいです。このシリーズ、どの絵本もおもしろくて、以前に出たものもよく読み返しています。
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