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2012.05.15

感謝

009pola


少し前にうれしい冊子が届きました。
「どんな時も読むことへの切実な求めは失われない」
そういうお気持ちでつくられた小冊子2冊。

読みやすい文字の大きさです。
本と本屋がすきなお仲間たちが文章を綴っています。

好きなことを好きと、適切な言葉で書いてある文章はとても心地よいものでした。
わかりやすい言葉で書いてあると、すっすっと読めます。
読む筋肉を鍛えずに読める文章は、昨年の3月以降、とても欲しているものです。

どの文章も読んでいると、それに向かって話しかけたくなりました。
わたしも似たようなことある、わたしのときはね、と。
「林檎とアセチレン燈とプルースト」を読んだときは、
何年も前のことを思い出しました。
中学生のとき、原因不明の頭痛が続き病院で調べてもらったことがありました。
ひととおり検査をしたあと、
先生は、
『小さき者へ、生まれ出づる悩み』を100回くらい読んだら頭痛がなおるよといいました。
???でしたが、帰りにその本を買って帰りました。
うしろに1回読むごとに正の字を書きました。
30回ほども読んだでしょうか。そのうち飽きてやめました。
うそみたいですが、確かにそれからひどい頭痛で頻繁に病院へ行くことはなく、
その後は先生にもさほど会わなかったように思います。

というようなことを、
冊子を読んでいて、いくつか思い出しました。

送ってくださりありがとうございます。
きっと出るであろう次の話も待っています。

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コメント

空さん、

いつもありがとうございます。
正の字を書きながら読んでいた時は、こんなことで頭痛が治るはずがないと少々むっとしていたような記憶なのですけれど、いま思えば、思春期女子の扱いとしてはなかなかによかったですね

"『小さき者へ、生まれ出づる悩み』を100回くらい読んだら頭痛がなおるよ"のエピソード、なんだか味わい深い掌編を読んだような感じで読ませていただきました。
面白いお医者さまですねえ。
正の字を記しながらちゃんと(!)繰り返し読まれた中学時代のさかなさんが頭に浮かんできました。
良いお話を聞かせていただきました。

野々宮さん

ありがとうございます。

そうそう、まさに打ち明け話ですね。だからこの冊子を読んでいて、本好きな人とテーブルを囲んでおしゃべりをしているような気持ちになったのだとあらためて合点がゆきました。ほんとうに次の号も楽しみにしています。

『縫い裁つ人』いいですよね。本のように言葉で文章で感じるものもあれば、言葉がなく絵で語っているものもあり、どちらもいいんです。

また本のおしゃべりつづけていきたいです。

小冊子を読んでくださり、あたたかいご紹介をありがとうございました。『小さき者へ、生まれ出づる悩み』のエピソードも、そういうことってあるんですねと、うなずきました。本をめぐる人の打ち明け話は、わたしにとっては小さな鉱石のようです。

さかなさんのブログで教えていただく本は図書館や本屋でみかけるとすっと手が出ます。とくに絵本やコミックを選ぶときは一番の手引きになっています。池辺葵『繕い裁つ人』も楽しく読みました。小川糸さんの小説にも通じるような世界ですね。台詞のない場面が好きです。

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