どうなのだろう
「石井桃子と戦争」長編評伝、前後編読みました。
力作だと思うのですが、ひとつだけ解せないところがあります。
アルス社から出た「日本児童文庫」についてふれているところです。同時期に菊池寛が出した「小学生全集」と比較されることがよくあるのですが、北原白秋監修で出たこのアルスの「日本児童文庫」を筆者は実際に読んだうえで書いたのでしょうか。そうは思えないのです。石井氏が関わられた、この全集の後に出た「日本少国民文庫」との比較でこちらがより優れているという読み方ができる箇所でもあるのですが、アルスの「日本児童文庫」は決して「文章も書き手も吟味されずに巻数を膨らませて量産された」ものではないと、実際に7冊ほど読んでいるひとりとして思うのです。
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