ひゃあ、なんてこった。
まるまる1か月、こちらのブログに書いていませんでした。
秋は学校行事が続き、それにともない夜の学校での会議も増え、
バタバタしていたのでした。
あっというまに師走の12月です。
今月のこどものともは、地元の昔話だということなので、出たら買わなくちゃとねらっていました。
福音館のこの雑誌は基本的に保育園や幼稚園での定期購読で、書店に置いてあっても買い取りなため、市内の書店でもごくわずかしか入りません。
夜こたつに入って子どもたちに読んだら、久しぶりの読み聞かせにみんな夢中になって聞いてくれました。
ああ、楽しい。
絵本を読むのは本当に楽しい。
高校生ボーズも、中学生ボーズも、昔話ってこういう欲張りなじいさん、ばあさんがでてくるよねえ、なんて言いながら聞いていました。
ちなみに今月の「母の共」の巻末付録は高野文子さんの紙相撲です。
わたしはこれが欲しくて購入しました。本文でも紙相撲の取材記事があり(高野さんが取材した訳ではありませんが)、こちらも読みごたえがあり、ゲットして満足でした。
というか、今月号の福音館雑誌はおすすめばかりなんです。
年中向けも井上洋介さんですよ。
たくさんのふしぎはまだ読んでいませんが、こちらもおもしろそうです。ぜひ。
うれしい新刊絵本2冊、スロボドキンのものです。偕成社さんから出ました。
『ねむれない ふくろう オルガ』の翻訳は三原泉さん。
片方の目だけつむろうが、ふくろうにあるまじき両方の目をつむろうが、まったく眠れないふくろうオルガ。それならこんな眠り方はと、いろんな鳥たちが、オルガに助言します。さて、いったいどの方法がよかったのでしょう。
文章がわりとたっぷり入っているので、読みごたえ、聞きごたえがあります。ねむれない、まどろっこしさと、ねむれますようにという優しさが、柔らかい色調の絵によくなじんでいます。
『いっしょなら もっといい』は詩人、木坂涼さんの翻訳。
ひとり遊びは楽しいけれど、ふたりだとまたちがう楽しさがあります。例えば、ひとりで散歩もいいけれど、ふたりで鬼ごっこも愉快です。おみせやさんごっこも、ふたりの方がお店の人とお客さんで遊べます。
読んでいると、ああ、本当にそうって思います。ひとりもいい。でもふたりもいいんだよって。どちらも否定されることなく、しっかり肯定しているところが、とても心地よいのです。
既刊のスロボドキンが絵をつけたものは、偕成社さんから他に3冊でていて、どれもおすすめです。
昨夜、久しぶりに子どもたちに絵本を読みました。
「まるきのヤンコ」、こどものとも年中向き11月号、いま発売されている号です。
スロバキアの昔話で、絵はドゥシャン・カーライの元で絵を学んでいる洞野志保さん。
「まるき」はひらがなで書くとちょっとピンときませんが、丸木のこと。子どもが欲しい夫婦が菩提樹の丸木から子どもをつくる。できた子どもをたいそうかわいがり歌を歌ってやります。3度歌ったとき、子どもに命が宿りました。名前はヤンコ。
ドキドキする場面を読んでいると、いつのまにかつれあいも聞き入ってました。
最後を読んで、みんなでよかったと安心します。
昔話ってほんとうにおもしろい。
ちぃちゃんは大きくなって、もうひざの上に座っても長い(?)足がじゃまになるくらい。「足、ちょっとじゃまだね」と言ってます。
読んでいると、上の子も寄ってきて見入っている。本を読むってやっぱりいいです。
そしてこんな風に楽しめる絵本を410円で買えるなんて、すばらしい。福音館さんに感謝。
理論社のニュースが飛び交ってから、「飛ぶ教室」の昔の号を引っ張り出して熟読してます。いまの「飛ぶ教室」の前の時代のもの。36号くらいから子どもの本の出版を特集して、福音館、理論社、岩波書店のことが掲載されています。福音館書店も理論社も、どれだけお金で苦労して出版を続けてきたかが、リアルタイムで読んでいた当時よりいまの方がより切実に読めます。
ニュースを聞いてびっくりした時、ツイッターで友人から理論社創業の雑誌「理論」の冒頭に掲げられた詩を教えてもらいました。ちょうど「飛ぶ教室」の理論社特集号でも、小宮山量平さんがその言葉を発しています。
「友よ地は貧しい。我らは豊かな種を蒔かなければならない」
今江祥智氏がこの特集の前説に二代目社長がしりぞく時に書いた一文を紹介しています。『ハイジ』のアルム爺さんの言葉です。
「夕やけってのはね。それはおてんとうさまのすることだ。山におやすみをいいながら、じぶんのいちばんきれいなひかりを投げてやるんだよ。あしたくるまでおぼえてくれよってな」
理論社の明日を――きっと私以外の多くの人も待っているはず。
田んぼに水が入り始め、夜になると蛙がにぎやかです。日中はカモもきています。例年だとゴールデンウィークの頃に、水が入っているのですが、今年はちょっと遅いです。
早朝から夕方にかけて、仕事をしている農家の方はその仕事前に、帰ってきてから、そして日中できるところ、一日、田んぼで人が動いています。
天気予報どおり、今週は気温がさがり、水が入ったことでまた下がっています。今日はストーブをつけている時間がけっこうありました。夜は寒い。
アレン・セイの『紙しばい屋さん』(ほるぷ出版)を久しぶりに再読しました。「ゲゲゲの女房」で紙しばい屋さんが出てきたので、子どもたちも新鮮に聞き入ってました。
紙しばい屋さんが子どもたちからもっとも求められていた時に仕事をし、長らくそれから遠ざかっていたおじいさんが、また一日だけでもと仕事に復帰します。おばあさんも昔と変わらないお菓子をつくってもたせてくれました。
以前、紙しばいをしていた空き地は高いビルが立ち並び、風景はがらりと変わっています。「桃太郎」「一寸法師」「かぐや姫」、昔話をしていると、昔の子どもたちが大人の姿で聞き入っているではありませんか――。
写実的な絵で現在のおじいさん、おばあさんが描写され、昔の紙しばい屋さんをしていた回想シーンでは絵のタッチを変えています。いずれの絵も緻密に描かれ、当時の様子を写真で見ているかのようで、子どもと一緒に私も楽しんで読みました。
『トマスと図書館のおねえさん』
パット・モーラ ぶん ラウル・コローン え 藤原宏之 やく (さ・え・ら書房)
この絵本の主人公、トマスには実在のモデルがいます。子どもの教育のとても熱心な両親のもと、カリフォルニア大学のリバーサイド校の学長をしていたそうです。
絵本のトマスの両親は農園に移りながら野菜やフルーツを収穫する仕事をしています。アイオアについたトマスは、その町の大きな図書館を訪れ、親切なお姉さんと出会い、たくさんの本の楽しみを知っていきます……。
ひとりで絵本を読んだちぃちゃんが、すぐ私のところに来ていいました。
「リブロ!」
絵本を先に読んでいた私は「おー、本のことだね」
「パーハロ!」
「それは鳥でしょう」
「アディオス」
「さよなら」
トマスは図書館のお姉さんにスペイン語をちょっぴり教えてあげた様子も描かれていて、ちぃちゃんはそこが印象に残ったようです。読んですぐ元気よく「リブロ!」と言った表情、楽しそうでした。
パンにピーナツバターをつけて、その上にハム、その上にバナナ。
ピーナッツバタートーストが今日の朝食です。ミルクティーで。
昨日「きょうの料理」をぱらっと見ていた時に目に入ったのがこれでした。
子どもの頃、「セサミストリート」をみていて「ア・ラ・ピーナッツバター・サンドウィッチ」というセリフが印象に残ってますが、その声が聞こえるような気持ちになりました。
今朝早くに、すごい雨音で目が覚めました。いまは強風。雪にはなっていません。
朝食のおわった子どもたちに一冊絵本を読みました。『森にめぐるいのち』。
フェリシモのこのシリーズでは写真絵本は初めてですね。
片山令子さんの詩的な言葉と姉崎一馬さんの写真がぴったりで、森林浴のような絵本。
写真絵本です。
鹿児島県にある知的障害のある人たちの福祉施設、ゆうかり学園で育てられた豚がどのように育てられ何を食べ、どうやって食肉になっていくのかが写されています。
子どもたちは、そろって、一頭が肉になるまでの過程写真の中の一枚が怖かったと言いました。何頭もの豚がつるされた写真で、整然と並んでいます。「カシャーン、カシャーンと肉を吊る『またかぎ』の音が耳に残った。よく見ると、まだ肉はぴくぴくと動いている」、そういう文章の横にあった写真は確かに印象に残ります。
私は豚が食べている餌の写真が印象強かったです。「近くの学校や施設やお店から集まった残飯。全部、豚の餌になる。牛乳は冷えたままの手つかずの状態で捨てられていた」 それらの餌の中には、むろんいろんな肉も入っていることも書かれています。
豚のお産からはじまったこの絵本は、ふたたびの命の誕生で閉じられます。
「豚は人間の都合で生かされているのだ」という一文が納得できる構成です。昨日のわが家の夕飯は、豚肉の醤油炒めでした。おいしかったです。家族みんな残さずきれいに食べました。
写真・作:石川直樹
構成・編集協力:松田素子
イラストレーション:きたむらさとし
ブックデザイン:白石良一、坂本梓(白石デザイン・オフィス)
プリンティングデレクション:佐野正幸(図書印刷)
企画編集:清田久美子
教育画劇
子どもに読んだら「これ、絵? 何かからコピーしたの?」と聞いてきました。
表紙の写真、確かに絵にみえますね。
秀逸な写真絵本です。読み終わったら、子どもたち「ああ、富士山のぼりたくなってきた」と言ってます。
雪の富士山にのぼる一歩一歩を視覚的にみせてくれます。
テントでどんなものを食べるのか。
もちろんここでは「おいしそー!」という声が子どもたちから。
写真の力も強く、きたむらさとしさんのイラストレーションによる富士山の動物情報など、周辺情報ももりこまれ、読みごたえある絵本になっています。
石川直樹さん、児童文学雑誌「飛ぶ教室」でも印象的な文章を書かれていますし、『最後の冒険家』では、開高健賞を受賞されている方で、ミーハー的ないいかたですが、作家、石川淳の孫にあたる方です。
写真家、冒険家である石川直樹さん[公式サイトLink]、次なる写真絵本に期待大。
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